馬の祈り

Horse’s Prayer -馬の祈り-

 

私のご主人様であるあなたに 

 

私の祈りを捧げます

 

 

 

食べ物と水 身の回りの世話 

 

 

一日の仕事の終わりには

 

 

雨風から私を護り

 

 

横になって くつろげる十分な広さの馬房に

 

 

清潔で乾いた寝ワラを敷いてください

 

 

 

常に私に優しくしてください 

 

 

 

私に言葉をかけてください

 

 

あなたの声は多くの時 

 

私に手綱ほどの意味を持ちます

 

 

 

時として優しく撫でてくれたなら 

 

私は更に心より喜んで 

 

あなたに仕えることでしょう

 

 

 

あなたを愛することを学ぶでしょう

 

 

 

坂を上る時 激しく手綱をしゃくり

 

私に鞭打たないでください

 

 

 

私があなたの望むことを理解しない時

 

決して殴り蹴りせず  

 

理解に必要な時間とチャンスをください

 

 

私を護ってください

 

 

そしてあなたの言いつけに従えない時 

 

私の馬具や蹄に異常がないかを見てください

 

 

馬装の時

 

私の頭が自由に動かせるようにしてください

 

 

もし 遮眼帯が必要と思われるなら 

 

目からの距離を充分にとって付けてください

 

 

 

荷物の積みすぎや

 

雨だれの下に繋ぐようなことは止めてください

 

 

蹄鉄はきちんと付けてください

 

 

 

私が食べようとしない時は

 

歯を診てください 

 

 

虫歯があるかもしれません

 

ご存知のように歯の痛みは耐えられません

 

 

 

不自然な高さに繋いだり

 

 

蝿や蚊に対する最善の防御である

 

私の尾を切ったりしないで下さい

 

 

 

私の喉の乾きは言葉で伝えられません 

 

清潔で冷たい水を頻繁に下さい

 

 

不治の病から あなたの力で救ってください

 

 

私が病んでも言葉で伝えられません

 

わたしが症状を示すのに注意してください

 

 

 

夏の暑い陽差しから逃げられる場所を 

 

 

冬の寒さには毛布を下さい

 

 

 

凍て付いたハミは

 

あなたの手で暖めてから 口に入れてください

 

 

 

私は あなたとあなたの荷を 愚痴もこぼさず運び

 

昼夜を問わず 長い時間 忍耐強くお待ちします

 

 

 

蹄鉄や路を選ぶことの出来ない私は

 

時として 

 

硬い舗道に肢を踏み入れることもあります

 

 

それが木舗道でないことを祈りますが

 

そのような場合 滑らないよう

 

足下を注意して進んでください

 

 

 

あなたに仕えているいかなる時も

 

わたしの命を落とすことがあるかもしれないことを 

 

どうか忘れないでください

 

 

 

そして最後に

 

ああ 私のご主人様

 

 

私がお役に立てなくなった時は

 

私を放り出して 飢え死にや凍死

 

 

 

残酷な飼い主に売り飛ばして

 

食べ物も与えられず

 

ゆっくり痛めつけられての死を与えず

 

 

ぜひともご主人様であるあなたの元で 

 

最も優しい手段で

 

 

私の命を終わらせてください

 

 

そうすれば あなたの神は

 

未来永劫 報われることでしょう

 

 

厩(うまや)で生まれた彼の名において お頼みしても

 

間違ったこととは思われないでしょう

 

 

アーメン

イギリスのある厩舎の片隅に貼られている言葉 ~訳・toruさん~